カストロールレディース2016優勝! 山城奈々プロ
千葉県にある富士OGMゴルフクラブ 市原コースで開催されたLPGAステップ・アップ・ツアー カストロールレディースを制したのは、若き飛ばし屋・山城奈々プロでした。
2打差の4位タイからスタートした山城プロは、「2日間ティショットが本当に安定していました。それにより2打目で短い番手で攻めていけました」と持ち前の飛距離を活かし5番から4連続バーディ。一気にリーダーボードの頂点に立ちます。
後半も10番、15番と順調にスコアを伸ばしますが、16番で3パットを喫し大会初のボギーを叩くと、パー以上なら優勝という最終18番でティショットを左に曲げてラフに入ったボールは半分以上見えない状況に。厳しい局面でしたが「これは勝つための試練。悪くてもボギーにしよう」と気持ちを切り替えて、何とか3オン2パットのボギーでしのぎ、佐々木慶子プロとのプレーオフに勝負をかけます。
18番で行われたプレーオフ。その1ホール目でも試練が訪れます。先に2打目を打った佐々木プロがピン左2.5mにつける中、山城プロはグリーンをとらえられず右のカラーへ。ピンまで7mを残します。絶体絶命の状況の中、「とりあえずショートだけは絶対しないように」と気合いを込めた一打は、ピンにあたるとガシャンという音とともにカップイン。チップインバーディを奪うと、佐々木プロがバーティパットを左に外して勝負あり。プロツアー初優勝を飾りました。
今週の山城プロはとにかく強気でした。最後の劇的なパッティングはもちろん、プレーオフのティショットに握ったのは正規のラウンドでラフに入れたドライバーでした。「結局ラフに行ったけど正規のときの感触も悪くなかった。とにかく思い切り振って行こう」と迷いなく自分のプレーを貫いたことが劇的勝利につながったともいえます。
ここ数年のあいだ、今大会はベテランが優勢でした。2013年は青木瀬令奈プロが佐々木慶子プロに、2014年は香妻琴乃プロが大竹エイカプロにプレーオフで敗れ、そして昨年は柏原明日架プロが金田愛子プロに最後の最後で競り負けました。今年も同じように若手対ベテランの図式となりましたが、今年は若手に軍配があがりました。
これで「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」から4試合のレギュラーツアーの出場権を得ました。同大会は2014年4位タイに入った相性の良い舞台です。「どうしても出たかった大会なので、出場できるようになって良かったです。エンジン全開で頑張りたいです」。今日の勝利は必ずレギュラーツアーでの躍進につながることでしょう。